終活読本「ソナエ」の戒名特集にお手伝いをいたしました。

世間の疑問と僧侶のホンネ

日本の葬儀は9割近くが「仏式」そこにもれなくついてくるのが「戒名」だ。僧侶は「戒名は大切」というが、世間一般の人からすれば「ピンとこない」のが実情。

戒名の基本的な知識や、IT時代の最先端の戒名サービスまで考えてみよう

戒名いらない人が増えている?

半数以上が「戒名いらない」

ソナエ表紙

生前整理と戒名特集

強い、値段への不信感

ソナエ戒名の作り方

戒名は、仏弟子の証

戒名に関する後悔

第1位:戒名のランクがわからなかった 56%

第2位:希望のランクが付けられなかった 40%

第3位:故人の意向を確認していなかった 36%

第4位:希望する墓地に納骨できなかった 16% 「いいお葬式」調べ

ランクや宗派で値段が違う?

お気持ちでととはいいながら、戒名料の値段にはランクによる差、地域による差、宗派による差がある。

低い値段を払えばお坊さんは怒り出すし、あまり高いのもはらいたくないのが多くの方の気持ちだ

葬儀での布施(戒名料)の中央値の地域差

関東は385,000円が平均を占め、比較的高くなっているのがわかる

一方中国地方では、22万円と全国的にも布施(戒名料)が低くなっている。

これは、浄土真宗が多いことが考えられる。浄土真宗では、よほどのことがない限り釋〇〇と戒名に差がないのである。

布施の意味

布施とは、「六波羅蜜」といわれる修行の一つとされる。見返りを求めるのではなく、差し出すもの。

具体的には、①財施(仏への感謝の気持ちとして僧侶に渡すもの)②法施(僧侶が正しい教えを説き、精神的な導きをすること)③無畏施(困っている人に親切にすること)の3つがある。

つまり、戒名にかかる費用は「財施」にあたり、悟りを求める修行の一つという位置づけになる。

全日本仏教界では2000年に「仏教本来の考え方からすれば、僧侶・寺院が受ける金品はすべてお布施(財施)である。したがって、戒名(法名)は売買の対象ではないとする見解を発表している。

宗派・ランクごとの戒名相場

戒名の作り方について

宗派でつける文字が違う

宗派によって用いられる文字が少しずつ異なる場合がある。自分が属する宗派がわからない場合には、位牌や墓に刻まれたご先祖の戒名を確認するとよいだろう。

浄土真宗

東・西本願寺など 約1250万人

戒名ではなく「法名」という。法名は「院号」「釋号」「法名」からなる。

釈迦の釋を意味する。「釋号」については、男性が「釋」女性が「釋尼」と区別していたが、性差をつけず「釋」とするケースもある。

値段は総じて低めだといわれる。

原則、位牌は作らず過去帳・掛け軸へ記入するのが基本

真言宗

空海/高野山金剛峰寺など 900万人

戒名の上にサンスクリット語である梵字「ア」小児の場合は「カ」を入れる場合が多い。「ア」は大日如来「カ」は地蔵菩薩を意味し大日如来の仏弟子や地蔵菩薩の導きに従うことをあらわす。

浄土宗

法然/知恩院

約600万人

教えを伝える法会「五重相伝」を受けた人にのみ与えられる「誉号」が加わる。最近は必ずしも受けていなくても授与されるケースはある。西山派では授戒を受けた人に「空号」が授与される。位号には「禅定門」や「禅定尼」が用いられる場合もある。また、戒名上部に梵字が入ることもある。

日蓮宗

日蓮/身延山久遠寺 約380万人

戒名といわず「法号」といい、日蓮の教えに導かれ、法華経信仰に入ったものにその証として授与される。

法号(戒名)部分にある「日」は日蓮の法を受け継ぐとの意味がある。道号では男性は「法」女性は「妙」の文字がつく場合が多い。院号は一般にも与えられ、位号は「信士/信女」が最も多い

曹洞宗

道元・瑩山/永平寺・總持寺 約350万人

道号と法号の四文字は、般若心経などの経典から祖録、漢詩などから付けられることが多い。また、院号よりランクは下だが、寺院への貢献や社会的功績がある場合「軒号」がおくられる場合がある。院号はめったにつけられない。

天台宗

最澄/比叡山延暦寺

一般的な基本構成と同じだが、位牌に刻む場合は戒名の上に大日如来を意味する梵字の「ア」または阿弥陀如来を意味する「キリーク」(山門派以外)を入れる場合が多い。小児の場合は地蔵菩薩を意味する「カ」を入れる。

臨済宗

栄西/建仁寺・円覚寺・妙心寺など 約110万人

「院・院殿」に準じた尊称として「軒・庵・斎」を用いる場合がある。また位号には「禅定門」「禅定尼」「大禅定門」「大禅定尼」が使われる場合がある。院号はめったにつけられない。

神道

約8600万人

神道では「諡(おくりな)が与えられる。俗名の後に男性であれば領有・支配する人をあらわす「大人命」女性であれば戸口を支配するものをあらわす「刀自命」がつく

戒名と異なりランクはないが年齢によって変わる。

諡に対する費用はかからないとされるが、神職に祭祀を奏上してもらった場合など謝礼が必要となる

キリスト教

カトリック約45万人 プロテスタント約60万人

死後に与える名前という概念はない。カトリック教会や正教会では、修道者が誓いを立てて修道院に所属する際に与えられる名前(修道名」があるが、一般的には聖人の名前をもらったり、洗礼名や苗字で通したりする場合が多い

洗礼を受ける際には洗礼名(クリスチャンネームを授かるが、基本的には自分で考え、聖職者によって承認され、儀式がなされるという流れになる

戒名のつくり方

安価を掲げるネット業者も登場

髙ければ数百万する戒名。多くの僧侶は、授戒する性格・職業・俗名などをベースに名前を構成するようだ。ただ、最近ではネットを通じて法要や戒名を依頼するケースも増えているという

戒名に関する著書があり、NHKなどメディアにも多く登場している本寿院の三浦 尊明住職に戒名のポイントを訪ねた。菩提寺を持たない人たちの納骨、戒名の相談を受ける中で、これまでに7000人以上に戒名を授けてきたという。

雑誌ソナエ

戒名特集に三浦尊明住職が登場

戒名の疑問など本音を話し合うことで、お互いが納得する信頼関係が構築されていきます。

(令和2年3月17日発売)